おばさんであること

はっきりと、二人が付き合っていることを知った満里奈は

夫にそれを確かめた

夫は写真を見せられると恥ずかしそうに頭を下げた

しかし、遊びではないことも満里奈には気の毒そうに

伝えてきたし、満里奈は小指から先も

心を乱してないし、応援していることを告げた

いつも通りに仕事をしているスミカを呼んだ

スミカは満里奈の夫からラインで事情は分かっていたが

あまりにも自分が下衆な奴だと自覚はしている

 

「本当に、気にしなくていいのよ

私と、夫の間には夫婦としての愛情もとっくに無くなっていたし

惰性だけで一緒にいたの!古くからの友人って感じ

あ、もちろん、夜の関係なんかとっくに無くなってるしね」

 

「すみません」

 

「ううん、いいの、私は明日にでも離婚届に判を押すわ

でも、このまま一緒に仕事を続けるのも

あなたが気まずいでしょう?

どうかしら、今までかなりもうけが出ているから

それは、あなたに譲渡するわ

それを元手に、同じような、

ううん、あなただけのセンスのお店を

作ったらどうかしらって思って

あの家は私の住んだ痕跡があってもかまわないなら

私が出るわ」