おばさんであること

美也は帰りながら

明美が言っていたことを考えていた

『Hなことはしても、子供を作る勇気なんかないみたい』

明美が徹のことを話すたびに

なんて、困った子供なんでしょう

うちの大輔には全く、関係ない悩みだわ

そんな風に思っていた

でも、今初めて、うちの大輔にもう少し

徹君ほどの余裕があったら・・・・

そう思わずにはいられない

さいころから親の言うことはよく聞くし

真っすぐで、屈託がなくて、明るくて、友達も多くて

家族思いだし、勉強だってよくできる

今は都内の有名私立高校に通っているが

多分、このままいけば東大に行くのだろう

そんな大輔なのだが、

いや、そんな大輔だからこそ

今、付き合っている彼女と困ったことになっているのだ

いや、大輔は自分では間違っていないと信じている

しかし・・・・・