10万が、知らないうちに100万になり
出来たらもう少し用意してくれないか?
そんなことを言うようになった
恋に落ちて目が見えなくなっていた明美は
自分の財産を切り崩して持ち出した
かなりの額になるのだが、夫は気づきもしない
もちろん、妻が相当な財産を持っているのは知っているが
それをどう使おうと、自分が口を出す筋合いのものだとは
思っていないのだ
満里奈と美也は誘っても出てこなくなった明美に対して
学生時代の友人やママ友のように
無理に誘うと言うことはしなかった
ひょんなことから出会って仲良くなった三人だが
会いたくなくなれば会わなくても仕方がない
そんな希薄な割り切った関係でもあった