2018-08-12 おばさんであること 明美は彼とどうかなりたいなんて思ってもいない自分の人生のなかで唯一心ときめいたあの時期を懐かしむようなそんな気持ちだホテルのラウンジに聞きに行っても彼が明美を覚えているはずもなく彼も痩身の美青年だった頃はもう遥か昔今はロマンスグレーの伯父様になっている今日は彼女たちの話を聞いて心がざわついて仕方がない彼のピアノを聴きたくなったのだコーヒーを頼んで彼が弾くピアノを聴く少しづつ心は落ち着いてくる時間を見れば、もう、7時近くになっているさあ、帰ろうとホテルを出たところで後ろから呼び止められた「明美ちゃんだよね?」