おばさんであること

藤沢の駅前の小さな飲み屋

調査書にはここに週三日くらい飲みに来るらしい

満里奈はそこで俊介を待った

七時頃、ふらっと背の高い五十代半ばくらいのいい男が入って来た

あ・・・・もちろん、年は取っているが

変わらない体形、そして、マスターのほうを少しニヒルな笑い顔で

カウンターの椅子に座るしぐさ

まったく、あの頃のようだ

 

「おう、俊ちゃん!娘がバイトしたいって来たぞ!

あの、上の娘はお前にそっくりだな

もちろん、断ったよ!

あんな美人で高校生なら来てくれれば

お客は死ぬほど来るだろうけど

ミサちゃんが激怒するのは目に見えてるからな!」