おばさんであること

俊介には年上の彼女がいて

あの車はその彼女のものだと言う

どうしようもないほどクズの俊介が

その彼女が出来てから随分変わったと噂になったくらいだそうだ

 

「その彼女って?」

 

「ほら、町はずれに靴の工場があるじゃない?

あそこに勤めている女の子で

すごくまじめなかわいい子」

 

「でも、ここに一緒に来たことってないですよね」

 

「ああ、そう言えばそうだけど

彼女が恥ずかしがりなんじゃないかな

私、高校時代からの彼女を知ってるけれど

恥ずかしがり屋のすごくかわいい子」