おばさんであること
美也がなんだか言い渋っていると
明美が
「いいのよ、気を使ってくれなくても
美也さんのとこの大輔君は優しいんでしょう?
やっぱり、違うのは旦那よ
だって、美也さんの旦那って
幼稚舎からずっと、慶応でしょう?
なんだか、お坊ちゃまで優しそうなんだもん」
「あら、だって明美ちゃんのとこは
ご主人国立で大企業じゃない!」
「だって、田舎の出身で上昇志向がすごいの
ただただ、上を目指していて家族なんか
そのための手段よ
独身だと何かと言われるからね」
ママ友だとここまでの裏話はできない
満里奈が面白そうに
「でも、イケメンじゃん上司の娘との縁談とかなかったの?」
「私が上司の娘!」
美也も満里奈も大笑いだ
「だから大事にはしてくれるけどね
息子も可愛がってはくれるけど
本当に好きな人は職場にいるみたいなんだよね
そういうとこ、息子は敏感に感じ取ってるのよ」