発達障害の母
母は祖母がそんなこともわからなかったとは
思いたくなかったのだろう
母が祖母に持っていた嫌悪感は
祖母を自分と同じか自分より上に置いておきたかった
だから腹が立つし、嫌いになる
僕が今、祖母と話していると
母に嫌われた日々をたのしそうにしゃべる祖母がいる
僕ですら憐みをもって祖母に優しくするのに
母は全く対等な立場から嫌っていた
祖母の長い人生の中で、そんな風に接してくれる人はいなかった
誰もが
「ああ、この人は可愛そうな人だ
この人が何を言っても、まともに聞く必要はない」
そう思われて生きてきたのだ
それがただ、一人母だけは同じ立場の人間だと
反発してくれた
祖母にそんな詳しいことはわかっていないが
そんな喜びが言葉の端々にあふれている