発達障害の母

それからが祖母の面目躍如だ

祖母の男好きは母の悩みの種だったらしいが

祖母は結婚だけは姉妹の誰にも負けないって

心に決めていた

母の話の中に、祖母はあの時代に恋愛結婚で結ばれたのが

自慢だったらしいが

それ以外に結婚する方法はなかったようだ

一つ下の癲癇持ちの妹を誘っては

青年団の行事に行きまくった

その餌食になったのがお坊ちゃん育ちの次男だった

祖父なのだ

祖父は真面目で頭のいい優しい人柄で

文学青年でもあった

兄は戦争に行ったが、自分は勉強さえしておけば

父親の自慢の息子で

新聞社主催の弁論大会に出たり、祖父の村界隈では

ちょっとした有名人だったし顔もよかった