発達障害の母

「大きなお屋敷で、子供たちが楽しそうに

お母さんの手作りのケーキを食べてたよ

僕はあの時、なんでその家に行っていたのか忘れたけれど

食べさせてはもらえなかったんだ

そういうのが食べられる子供が君で

それを作っていた母親が彼女だなんて

僕は幸せ過ぎて、もう、思い残すことはないよ」

 

僕にはあまりその意味が分からなかったけれど

本当に幸せそうだった

光代さんにその話をすると

 

「それはね、自分が守った女が幸せな家庭をもって

そして、その子供が自分が昔、あこがれた子供になってることで

すべてが報われたって心から思ってる

本当に心の綺麗な人ってことよ」

 

僕はそれを聞いて、こんなにも心の美しい人がいるのか

そう驚き、母の人生の中で

そんな人とのひと時を持ったことで

母が本当に幸せな人だったと思った