発達障害の母

そして、今日初めて会ったばかりなのに

これは僕の錯覚なのかもしれないけれど

修二さんにものすごく深く愛されているような

そんな気持ちになる

 

「兄弟は?」

 

「兄と姉がいます

兄はK商事のニューヨーク支店にいます

姉は司法修習生で来年には検事になると思います」

 

修二さんはそれを聞くと、もっと、嬉しそうだった

 

「よかった、よかった、ほんとうによかった」

 

それから、話というよりも

修二さんの優しい目に見つめられながら

僕は子供のころ母に読んでもらった本の話や

兄や姉とはめったに喧嘩をしない話をなんかを

つらつらとした

どの話にもよかったと嬉しそうに相槌を打つ