発達障害の母

私は子供のころ、家の中でも息をひそめて生きていた

母はまったく感情の読めない人で

やたら、明るかったり、やたらヒステリックだったりした

ヒステリックになったときには感情に任せて

わめいて、物をもって追いかけてきた

私は何を怒られているのか意味も分からないことが多かったので

おのずと、この小さな家の中で

いつも何かしらの防御をまとっていた

東京に帰る飛行機の中、私はそんなことばかり考えていた

こうして母から逃げるのを

何とか正当化したいとしか考えていなかったのだ