発達障害の母

私は子育てをするときに、一番に決めていたことは

子供を子ども扱いしないってことだ

まだ、小学校に上がっていない私とおんぶした赤ん坊の弟

母は私には何もわからないと思っていたのだろうが

店の物を万引きする母を私は恐ろしい思いで見たものだ

新しい女物のスリッパ、今でも目に焼き付いている

それを弟をおぶっている上からかぶせてある袢纏の中に入れた

その時に母を制することなどできなかったが

私の思いはそっち向きだった

店の人に見つからずにうまいこと隠せてよかった

とは絶対に思わなかったし

私はその時、しっかり見つかればいいと思った

子供は子供らしくすることで大人から身を守り

思っていることをすべて話したりしない

子供ながらに親に対してであっても防御本能は働く