発達障害の母

その頃までは、母を普通の人とは違うし

少し、頭が足りないのもわかっていたし

それでも、父に対しては真剣に愛していたんだろうと

信じていた私がいた

子供のころから母はそのことを子供の前でも頻繁に

口にしていたし

子供の目からは母がどんなにダメでも

別れようとしない父のその誠実なところも立派だと思っていた

しかし、ガンで入院した父を母は

口では心配だ、どうしよう、大変だ、

何でこんな目に合わなきいけないの

そんな心がおかしくなるほどの嵐に吹かれていると感じて

私は息子を連れて、飛んで帰って来たのだが

それは、本当に口先だけのもので

父のやつれはてた姿と反対に

母は生き生きと朗らかになっていた