発達障害の母

その爺さんは昔からこの村にいたが

奥さんがしっかり者でその陰に隠れていて

いるのかいないのかわからないほどの人だった

それが、奥さんが10年前くらいに死んでから

何かと元気になった

若い頃ならば、少し頭の緩い母のことなど

歯牙にもかけなかったであろうに

今は男を振りかざすことが自由にできてうれしいのか

母のところによく来ている

来て一緒にお茶を飲むくらいならば、まぁ私もなんとも思わないが

だいたい、私がいるときには来ない

いつも、私が東京に用事があっていない間に

頻繁に来ているらしい