私の下宿は友人を入れてはいけない決まりだった
高田馬場の近くの下宿屋で、男子学生ばかりだったところを
無理やりに安さに惹かれて、入らせてもらったから
下宿人同士の交流すら禁止だった
修二は相変わらず、店で寝泊まりしていたし
私たちは夜の公園で済ますしかなかったのだが
そのうちに、修二が
「俺、部屋を借りられるくらいのお金貯めたんだ
一緒に住もうよ」
そう言い始めた
私は初めての男ってものに夢中にはなっていたが
修二に生活を脅かされることは良しとしなかった
東京に出てきた目的
貧乏な学生生活でも勉強を頑張って、いい会社に就職して
早く、田舎を断ち切りたかったのだ