発達障害の母

ただ、嬉しそうに待っていた

たぶん、彼の人生は多くの人間に裏切られることの

連続だったのだと感じた

その喜ぶ目がそれを物語っていた

母がそうだった、ちょっと、足りない人間に対して

約束をしっかり守るほど

民度の低い人間たちは優しくないし、暇ではない

私は約束を守る初めての人間のように修二に手を握られた

新宿の隅の公園

若い男と二人きり

まだ、ほとんどどんな人間かもわからない修二

それでも、私は何の警戒もしなかった

彼があの時、私に親切にしてくれたお返しに

今夜はちょっと、一緒にいてあげよう

そう決心していた