発達障害の母

振り返れば、修二だった

昼の光の中で見る修二はまるで天使のようで

それでいて、暗闇の中でしか生きていないような

そんな矛盾をはらんで見えた

そこに、全く知性のかけらもないような笑顔が重なって

私の好みから言えば、こんな男はごめんだと思ったものだ

しかし、ちょっと、母のように困ったまなざしで

つかんだ手を離せないように見つめられると

どうしようもなくなって

 

「今からバイトだから、えっと、

あの、新宿の公園の時計の下に9時で!

あ、今日は仕事?」

 

すると、首を振る

私は頷いてうどん屋に入った