発達障害の母

そんなわけで、どうしようもない感じで修二とは別れた

 

「また、絶対来てね!」

 

その言葉の修二の目はまるでもう一度会えなければ

どこかに沈んでいく、カワウソのようなまなざしに思えた

 

それでも、恵子ちゃんと二人で帰りながら

 

「『また!はないよね~、来たいのは山々だけどね~

こんなに男にちやほやされるのなんか、人生で初めてだもん

でも、見た!?

あの女の子たち、グッチのバッグとかシャルルジョルダンの靴とか

みんな、お金あるよね~なんで?

それに、勉強しなくても大丈夫なの?

明日の講義の下調べ、帰ってからやらないとだし

寝る暇ないじゃん」

 

恵子ちゃんのその言葉を聞きながら、

毎日、朝から晩まで、入れられる時間にはすべてバイトを入れ

その合間を縫って勉強して、一日はあっという間に過ぎていく

私たちには確かに別世界だと思った

修二のことは気になったけど

所詮、世界が違うし、接点なんか何にもない