発達障害の母

修二はすぐに気が付いて

私を誘って、バックヤードに連れて行ってくれた

 

「あいつ、やめといたほうがいいよ!

この辺のチンピラだけど、あいつの上のやつらが怖いから」

 

「ありがとう」

 

そう言って、何か飲み物を頼まなきゃいけないかしら

そう迷っていると

 

「あ、俺、バイトだから大丈夫!

別にここの売り上げなんか、オーナーだって気にしてないんだから

もう一人の子と二人、今日が初めてだよね

女子大生?」

 

頷いて大学名を言うと驚いて

困ったように目をそらしたり、もじもじした

ああ、こんなところ、困っているようなところ

今ならわかる、母に似ていたから惹かれたのだ

困らせたくなかった

 

「あ、めったに来ないんだけどね

たまにはこういう所もいいかなって」

 

修二はやっと考えた末に口を開いた

 

「俺、青学!」

 

その頃の最先端の髪型に細身の体にぴったりの

まっしろなTシャツに

その頃、キムタクがよく着ていたジーンズ

確かに青学っぽかったけれど嘘だと思った