発達障害の母

ディスコは楽しかった

女の子はタダだったし、踊りは踊れなかったけれど

恵子ちゃんも私も十分にモテた

それでも、二人ともこんな遊びができるのは

一年に一回だってわかっていたから

適当にかわし、踊りを教わり、飲み物をおごってもらった

修二はそこのフロア係をやっていた

今思えば、修二に目が行ったのは

その目が母にそっくりの目つきだったからかもしれない

おどおどしていて、自信無げで、ただ、飲み物をひたすら運んで

誰もが余裕があって、キラキラしている中で

一人、怯えたウサギのようだった

 

でも、色が白くて、その頃はやっていた髪型に

細い手首、一生懸命、この空間に馴染もうとしている

でも、その意味もそのやり方もなっちゃいないように見えた

踊りつかれて、椅子に座っていると

変な男が寄って来た

ほとんどが学生で、男子学生ならば慣れてくると

恵子ちゃんと私で大学名を言えばお手上げという仕草で離れていくのだが

その、男は違った

あ、これはやばいな!そう思って恵子ちゃんを探したが

すぐには見つからなかった

そこで出会ったのが修二だった