発達障害の母

「今月、バイト代、少し多かったじゃない?

これで、ディスコってところに行ってみない?」

 

二人ともバイトに明け暮れる毎日

食べ物はお互いの田舎から送ってくれる野菜を

二人で持ち寄って料理した

最初は楽しかったが、周りが浮かれている

私たちの大学は特に、金持ちのお坊ちゃんやお嬢さんが多い

二人が嫌になるのも無理はなかった

うどん屋の親父も、そんなところは何となくわかってくれるし

ここいらは学生さんをまだまだ、特別扱いする時代だった

それで、今月はお客も多かったのもあって

二人に奮発してくれたのだ

 

当時はディスコは女の子は確か、ただだったと思う

それでも、真面目な二人は行けなかったし

まず、行くような服も持っていなかった

二人でいろいろ考えた

当時、浅野温子浅野ゆう子が流行っていて

もちろん、ドラマが流行っていたのだが

私たちの下宿にテレビなんかなかった

何となく、おしゃれな子の話で

Tシャツの真っ白にジーンズがかっこいいと聞いていたから

それで行こうと言うことになった

二人ともろくにものを食べていなかったから

スタイルだけは良かった