発達障害の母

確かに、人の道を外れることをするのは

多くの人を傷つけるのかもしれない

しかし、こうして母のそばで暮らしていると

母自身は自分は間違いのない村人の手本のような

人生を送っていると思っているし

他の口うるさいおばさんたちも

私は全く間違っていないというような顔をして

偉そうにしている

でも、本当は人数の問題なのだ

村の半分以上が盗人ならばそっちのほうが正しいのだ

おばさんたちで知的障害のある若い男を

なぶりものにしたことなんて

みんなでやったのだから悪いことでも何でもない

そんな風に村では物事の良し悪しが決まる

 

友くんの家は都会からやってきた

古民家好きの若い人にあっという間に売れて

畑や田んぼも、村の誰かが買ったらしい

この村から出て、まともになろうとして

頑張った、私の『まとも』っていったい何だろう

そう思わずにはいられない