発達障害の母

「え?あんな昔のこと、私ですら忘れていたのに」

 

「いや、ごめんって気持ちもあるんだけれど

俺が息子を育てるときに

いつも思い出したのがあ~ちゃんの態度だったんだ

親とか教師とか、誰もがみんなと一緒とか

同じように喜同じようなことをやれって感じだろ?

それは今の小学校とかも同じで

ちょっとでも、ほかの子と違っていたり

教師の思惑とは違うように動くと厄介な子供って

思われるじゃないか

毎日、小学校の頃から

野球漬けのうちの息子のことは

小学校の担任からしたら異様に映ったみたいなんだ

それに、うちの子は俺に似てへそまがりだから

そう、言われると、よけい反対のことやったりするんだ

嫁は心配してもっと、みんなと仲良くするようにって

息子を注意しようとするんだが

俺は好きなことで、しっかりした将来の目標を

持っていれば、そうみんなと仲良くはしていられないのは

よくわかっていたから

クラスで浮いたっていいって応援したんだ

休み時間に一人教室の隅で腕立て伏せしてる小学生なんか

まぁ、変だけど

あの頃のあ~ちゃんを思い出して

仲良くして時間を無駄にするよりよっぽどいいって

褒めたんだ」