発達障害の母
葬式が終わって帰り道
三々五々、バラバラと歩いていると
話す声はいろいろ聞こえてくる
「まぁ、遠い親戚って、しっかりした人だったね
立派なお葬式だったこと」
「お墓は三ちゃんと旦那のところに入るんだろう?
どっちも嫌がるだろうね」
「でも、別にお墓なんかつくりゃしないだろうよ
あの人にはありがたい話だったんじゃない
あそこの家はちょうど、新しい老人ホームが立つって
場所だから、結構な値段で売れたんじゃない
じゃなきゃ、話もしたことがなかった千絵さんのために
あんな立派な葬式なんかだしゃしないよ」
「そうだね、早いこと死んでくれてよかったよね」
「千絵さん、何やかや言ったって幸せな人だったよね
子供も三ちゃんだけしか生まなかったし
旦那も早く死んだしね」
「それじゃ、ほんとにかなりお金は残ったんだろうね
あの人はどんな親戚なの?」