発達障害の母
帰って来て久しぶりに母に会い
発達障害なんてやつは本人の努力の他なのだから
仕方がない、母の人格とは別だ
何度そう、言い聞かせてきただろう
今度もまた、私はそれは母のせいではないと
心に言い聞かせながら
恥を飲み込んだ
「そう、えっと~、そういうことがあるんじゃ
樹奈ちゃん、この村から離れた中学のほうが絶対いいわね」
私はここに来るまでに言おうと思っていたことはすべて飲み込んだ
あの程度私立の中学なら
わざわざやらないで、ここで恵子ちゃんが丁寧に
勉強や生活を見てあげたほうがいいよ
そう、言うつもりだった
しかし、こんな環境、やはり早く出たほうがいい
私は16でこの村を出たからこそ
なんとかここまでやってこれたのだ