発達障害の母
「見た目だけではわからないんですね
私はあんまり噂でしかわからないくらい
御宅のお母さんは村の人たちが
少しオーバーに言っていて
実際話すと普通の人にしか思えないんだけど」
そうだ、もう、私たち世代くらいは
よっぽど母と深い付き合いをしなければ
そんなにわからない
母自身もなんとか上っ面は誤魔化す
すべを身につけている
しかし、小さい頃学校で一緒だった
祖父母世代はよく知っている
学校でみんなと同じようには
教科書も読めないし、字も書けない
そして、青春時代
これぞと見つけた男には体をぶつけて行くように
つきまとう
うちの父はその誘惑に負けて
結婚してしまった、と言ってもいいかもしれない
「そう、だから、弟と二人
私たちは将来を考えるなんて
全くなかったし
父もそうだけど、母から逃げることだけ
考えていたのよ