発達障害の母
夫や子供たちに私の郷里の人間は
会わせたくなかった
夫はちょうど出張中だったし、上の子はイタリアに留学中
下は北海道に研修で行ってる
そうじゃなければ、私はホテル代を出してあげても
朋ちゃんをここには連れてこなかった
二人とも、家族がみんな留守でごめんなさい
そういうと残念そうに
「あいたかったわ~」なんて言い出す
ネコならいざ知らず、朋ちゃんは親切にはしてあげるが
私の知り合いとは思われたくない
ネコに雅ちゃんの旦那の話をする
ネコは私に恥ずかしそうに
「駐在さんには言えないんだけど
あ~ちゃん、いいかな?」
嫌とは言えない
これがあの村なのだ
長い間、私と弟で母を村に預けていたようなものだ
その恩があることを考えるとそれはやばいだろう
とは言えない