発達障害の母

すると、ネコが

「田舎だからね

貧乏でも土地もあるし、牛が一頭でもいれば

ずっと、家を守ってほしいって思うさ

雅ちゃんちは爺さんの代にこの村に来て

流れ者だったのが苦労してここにいついて

何とか土地と家を手に入れたから

やっぱり、継いでほしいんだよ

女の子二人しかできなかったことを苦にして

雅ちゃんのお母さんは病気になって死んだんだもの」

 

東京のマンション暮らし

夫は長男ではあるが、父親は大手企業のサラリーマン

家を守る意識なんてどこにもない

ただ、お墓の場所に困るくらいだ

それも、近所のお寺の納骨堂だと便利だから

皆そこに入ることにしているぐらいのことだ

ここで生まれた私だが、まるで別世界の出来事だ