発達障害の母

「東京で借金こさえて帰ってきたとか

離婚されて逃げて帰ってきたとか

やっぱり、あの母親に似ているから馬鹿なのだとか

あんなやつのために泣いてやることはないよ

嘘ばっかり村中に流してたんだから」

 

私はやっと、涙が止まり

少し笑いながら

 

「その、最後の言葉は嘘じゃないかもよ

やっぱり、母親に似て馬鹿なのは確かだわ

雅ちゃんのことは、嫌な人だったってことはわかってるし

それが小学校のころから変わってないっていうのも

悲しいけれど

私が帰ってきてすぐに、ここで会ったとき

すごく嬉しそうに旦那さんとのなれそめを話してくれたの

それだけは雅ちゃんの真実で

小学校のころから猥雑なだけの彼女が貫いた

唯一のことだったって思うと

なんだか、涙が出てきて仕方ないのよ」