発達障害の母
私にとっては少しも興味のない相手で
あの時、ここで話した限りでは
小学校のころから全く変わっていなかった
そんなことを思いながらコーヒーを飲んでいると
ネコと友くんが喪服で入ってきた
「まいったな~
雅ちゃん、かわいそうにな~
誰も遺体を引き取りたくないって
特に実家の妹はすごかったな
葬式はそっちで出してくれって
うちが姉のために出すお金なんてない
あんたんとこの嫁だからねってさ!」
「え?どこで、亡くなったの?」
すると、ネコが
「あ~ちゃん村はずれのお宮、覚えてる?
古くて、子供たちが雨の日に集まった」
「うん、あの当時でものすごく古かった
あの階段の上の?」
「そう、あそこ、綺麗に建て直したんだよ
あそこにいた汚ねぇ、おっさん、死んだんだよ
20年位前にな」
昔、宮司ではないとは思うが、変なおっさんがいついていた
そのお宮に住んでいるというだけで
ご利益があると思っている年寄りたちが
食事を運んで生活の面倒を見ていた
その昔、私が小学生のころ
うちの母親なんかも、ありがたがって
白いおにぎりを三個ほど持っていかされた
そして、その冬、風邪をひかなかったら
あのおにぎりをあのおっさんに持って行ったからだ
そんなことをよく言っていた
私はそのころからあほくさいと思っていたのだが