発達障害の母
すると、ネコはおもむろに
「あ~ちゃんは、何かと苦労しただろう?
でも、俺たちみんな、あ~ちゃんはあ~ちゃんだって
思ってたんだぜ
子供のころは親の噂話とか
子供に聞かせちゃいけないなんてこと
思う大人はほとんどいなかったからな
俺、あ~ちゃんのことは尊敬してたんだぜ
みっちゃんが賢いのは医者の子だから
当たり前ってみんな思ってただろう?
小学校六年の時なんて、都会の大学生のいとこが来て
勉強教わったりしてたしなぁ
あれは、中学受験のためだったんだな
あの頃、中学で国立とか私立とかあるなんて
知りもしなかったからなぁ
あ~ちゃんは図書室に籠って、本ばっかり読んでたし
みっちゃんよりか頭がよかったしなぁ
でも、なんとなく、それを受け入れないみんながいただろう?」
二人が言わんとしていることはよくわかった
だから自分から言った
「母親があれだからね
そういえばみっちゃんのお母さんにはかなり
きついことを言われたことがあるよ
でも、村の中で母を一番ダメだって思ってたのは
私自身だったから、気にしなくっていいよ」