発達障害の母

「つうちゃんはやりてだからね

今の村長さんに取り入って

自分の娘をあそこの長男と一緒にしたいんだよ

あんた目当てに村長さんがコーヒーを飲みに

わざわざ、行ったって話をしたら

きっと、あんたに頼みに来るよ」

 

「ネコ、あ、今は村長だけど

まさか、私に会うためにコーヒーを飲みに来たわけじゃないよ」

 

友くんが私のために呼んだのは知っているが

母はそんなことを平気で言う

 

「何言ってるんだい!

村長はあそこの店ができるときは

あそこの店の都会から来た男に

肩をもって土地を安く融通したって話だよ

だけど、店が開いてからは一度も行ったことはないよ

コーヒーはきらいなんだろう

あんた目当てに決まってるよ

つうちゃんにはしっかりそう言っといたほうがいいよ」