発達障害の母

でも、みっちゃんの母親が言っていることが
子供心にもそんなに的外れなことではない
そう思っていたから
みっちゃんとは犬と人間ほど
隔たりがあると思っていた

それがみっちゃんの恋の対象が
私だったなんて
驚く以外にない

人は恋愛をするにしても
自分と同じステージの人間を
相手にするのではないだろうか
わたしは高校では誰も好きになんてならなかった
県内でも医者の子、社長の子、立派な家の子
そんな子だらけの学校で
自分の生まれ、頭のコンプレックスから
女の子の友人ですらできなかったし
男の子を好きになるなんて思ってもいなかった
高校を出てこの村で中卒の彼を追っかけたのは
そうできる、同じレベルの人間だ
そう感じたからかもしれない

「東京に来ていたんだったら
声をかけてくれれば良かったのに」