発達障害の母
片付けは母の大好きなことだが
右のものを左に置いて
また、右に置き直す
買ったものを白い買い物したら入れてもらう
ビニール袋に入れて押し入れ深く入れておく
いざ使うときにはいったいどのビニール袋に
何が入っているのかさっぱりわからない
そんな類のものだが
私は元気に動く姿だけで安心する
「昔、崖崩れがあった時の話
友くんに聞いてきたよ」
私が外で何をして
誰とあったかをすごく気にするので
そう話すと
「ああ、あれは感動したよ
あんたは知らないだろうけれど
あの、男は碌でもない男で
昔、村中の女に手を出した男でね」
そう、母は私がその頃どうしてたなんか
ほとんど知らないのだ
村のみんなが、その男を私も
追っかけていたって、知ってるのに
こんなことが多々あって
母のせいではないとは思っても悲しくなる