発達障害の母

合格はしたが

身の丈にあった高校ではなかった

多くは県内から集まった優秀な

家柄の良い子供達で

特に遠くから来ている子は

お金の余裕もある子たちが多く

ひたすら勉強についていく三年間だった

それでも、なんとか同じ学年の中でも

恥ずかしくはない程度の大学に合格はしたのだが

三年間、勉強以外の思い出もなかった

田舎に帰る余裕も時間もお金もなかった


そして、その春に私は地元に帰って来て

初めて恋をしたのだった

周りからは村で大学に行く人間など

全くいなかったから

特別扱いされ、中学の時の友人たちからは

少し遠巻きに見られていた