発達障害の母

小学校三年くらい

平仮名や漢字を少しずつ覚え始めたころから

本を読むことが何よりも楽しみになっていた

家は貧乏な農家で母親は土方仕事に出ていた

朝ご飯はだいたい、白いご飯とみそ汁と漬物

田舎の小学校で弁当を持っていく毎日

母親は白いご飯とソーセージと漬物の弁当を作ってくれると

仕事に出かける

私はその弁当を持ち、小学校に行く

弟はその弁当をこたつの足に結び付けて

家で留守番をする、五つ下だったが幼稚園に行っていなかった

 

小学校には楽しいことは一つもなかったが

図書室が好きだった

毎日、何冊も借りてきて、すごい勢いで読んでいた

夕方、モンペ長靴で帰ってきた母親は

本ばかり読んでいて

洗濯物も取り込まず、夕ご飯の用意もしていない

私を口汚くののしった