発達障害の母
痴呆症だとか老人特融のボケ
そんなものではないと確信して
いっそう、落ち込んだ知的レベルが低い
そして、少し変わった行動をする
集中して物事に取りくめない
ここに帰ってくる前にかなり調べて
自分なりの覚悟もできていた
その覚悟を持って臨もう
そう決心した私に待っていたのは
そんなノートの上の決心なんて
甘いものでしかなかったことを教えてくれた
冬の寒い朝
五時半
その朝の寒さの中に出ていく母を一度止めた
「お母さん、歩くのはもう少しおひさまが上がってきてからにしたら?
私も一緒に歩くから、まだ暗いし危ないわよ」
「何、言ってるの?
寒さに負けるようなお母さんだと思ってるの?
それに、万歩計を首からぶら下げて
何人もお婆さんやお爺さん同志でしゃべりながら歩くのなんて
まっぴらごめんよ!
私についてくるなんてやめて!
ご近所にボケたって思われるでしょう」
この言葉を聞けば十分にしっかり者の老人だと思うし
私は嬉しかった