空の色

故郷の空は当然美しくなければならない

その思いがここに帰って来ることを

阻み続けてきた


東京では決して見ることのできない

盆地を囲んだ青い空、そして高い雲

この盆地を見下ろす小さな山


高校の頃の一番純粋だった私は

クラブ活動で毎日

あの山の頂上まで走って上がり

仲間と一緒に降りて来たら

暗くなるまで練習だ


終われば友人と笑い合いながら

駅前のうどん屋で安い素うどんを食べ

将来など考える暇もなく

宿題のことだけ考えて家に帰る