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発達障害の母

それは・・・・ 「下着が違うって、どういうことだと思います? 私はそれ以上は考えないようにしてるけど やっぱり、やばいでしょう? あの村でそれがわかるの夫以外は私だけ」 これはどういう話なんだろう いや、私はあの村が昔ながらの古い考えの 人間たち…

発達障害の母

私は自分が彼女を連れて帰りたいわけではないし この場所であったことは絶対言わないから そう言って、あの店で買ったお皿を出した 「よかったら、これ、使って」 朋ちゃんは嬉しそうに包装を開いて眺めていたが 「あ~ちゃん、あそこの村の出身とは思えない…

発達障害の母

そのせんべい屋を覗くと 聞くまでもなく、そこで働いているのは 朋ちゃんだった 朋ちゃんも私を見るとおどろいて飛び出してきた 「あ、あ~ちゃん、どうしてここに?」 「ちょっと、気になって。 良かったら話しできる?」 朋ちゃんはエプロンを取ると すぐ…

発達障害の母

西新井と聞いたときに私は雅ちゃんの話を思い出したのだ 雅ちゃんは私が田舎に帰ったばかりの頃 あの喫茶店でよく話した いや、話したというよりは 雅ちゃんの自慢話を聞いたのだが その話の中に、西新井というワードが出てきた 雅ちゃんの、あの旦那の親友…

発達障害の母

朋ちゃんはこの人のことが好きであこがれていたのだろうか ここの住所をあの暗い家において来たのは そんな憧れがあったのだろう 「その女の人は何か買っていきましたか?」 「ううん、値段見てびっくりしたみたいで そこのお皿ほしそうだったけれど 後ろ見…

発達障害の母

それでも、勇気を決して入ってみる 「あ・・・・・」 私は気が付いた、この店は雑誌とかによく乗っている 主婦に大人気のバラエティタレントの店だ レジのところにその人がいた この住所はたぶん、雅ちゃんの妹が 朋美ちゃんが雑誌か何かで見てそれを写した…

発達障害の母

ネコは初めに雅ちゃんの妹が家においていった住所には 行ってみたのだが、もうそこにはおらず 西新井ってところらしいとしか聞いていなかった 土地勘のまったくないネコよりも 私のほうがたぶんわかると思うそう言うと 忙しいネコは申し訳なさそうに その最…

発達障害の母

とりあえず、家族に何の心配もないのを確認すると ネコに連絡を取った 村の店を出す営業も忙しいだろうに 雅ちゃんの妹探しまでやっているとは 私も手伝ってあげようと思ったのだ なんとなく、雅ちゃんの妹の気持ちもわからんではないから こちらで幸せに暮…

発達障害の母

母は少し嬉しそうだった 口うるさい娘なんかいないほうがいいのだろう どうしたら一番いいのだろう 私には母のすべてを受け入れることはできない 東京に帰ってくると 家の中は完璧に掃除され、私がいる頃よりも 便利な家電に変えられていたり 冷蔵庫の中には…

発達障害の母

「友くんの母親と雅ちゃんの母親じゃ人間が違うからね 雅ちゃんの母親の面倒を見なきゃならないとなると 友くんもうんざりするのは当たり前だよ おばさんとはいえ、人の面倒なんか見たかないよね」 は?私は母のことはよく理解しているつもりでも こんな風に…

発達障害の母

最近は母、私が喫茶店から帰るのを待っている そして、誰とどんな話をしたか知りたがる 「今、ネコは東京に行ってるんだって 友くんは雅ちゃんの妹がいなくなったって言ってたよ ネコはその妹を探すのも頼まれているらしいから 大変だよね~」 母に限ったこ…

発達障害の母

雅ちゃんの妹の立派さや 夫が外で作った子供を文句も言わずに引き取った 母親の心の広さもすごいが その妹より嫌われていた雅ちゃんもかわいそうな人だ 最後は神社で首をくくったというのも わかる気がした 皆、雅ちゃんの旦那とみっちゃんの後家さんの赤ち…

発達障害の母

「俺たちもびっくりしたさ あそこの父親がよそで作った子供だって 突然連れてきたんだよ ほら、あそこの父親ってよく、県庁のある街に 遊びにいってただろ あのあたりの飲み屋の女に 生ませたらしい あの妹が中学生の時に、その母親ががんで死んだって」 こ…

発達障害の母

「みんな心配してるんだよ 出稼ぎって言ってもお金も送ってこないらしいから ネコはあそこの親に探してくれって頼まれているのさ 連絡もしてこないらしいし」 雅ちゃんの妹はここで何度か見かけたことがある 雅ちゃんに似ていたが、もうちょっと、常識もある…

発達障害の母

「最近ネコは?」 ネコもこの村の農業に忙しい時期には ここでコーヒーを飲んでいる場合ではないのだろう 「ああ、今、東京に行ってるよ うちの村の特産品を置いてくれる店を開拓に 行ってるんだけどね なかなか、大変そうだよ 今時って、どこも着ぐるみとか…

発達障害の母

久しぶりに友くんがコーヒーを飲みに来ていた 手広く農業をやっている彼は忙しい時期は コーヒーを飲みに来ることすらできないくらいに 大変らしい 「久しぶり!忙しそうね」 「いや、人手がないからね 長いこと手伝ってくれていた人たちは いいかげん年取っ…

発達障害の母

母が発達障害であるのは間違いない 子供たちの幸せのために何ができるかと考える キャパがないのは仕方がない 何かと覚えられないのは仕方がない おいての心を読んで忖度できないのも仕方ない そうどんなに思っても、どうしてもいらいらと悔しい思いになる …

発達障害の母

母はそんな私の言葉など全く聞く気がないようだ 「だって、なんだか、テレビの中の人たちみたいじゃない 今度生まれてくる子供もドラマの中の子みたいだし」 そう言いながら嬉しそうに持って行く あ、そういうことかと納得する 村では誰もが貧しくて、そして…

発達障害の母

母が後家は妊娠していると言っていたことを思うと そりゃぁ、早く一緒に住んだほうがいいだろう 雅ちゃんの旦那は、みっちゃんちの豪邸から仕事に通い その、旦那の母親は鼻高々で自慢しまくっている 二人が結婚してすぐに、その母親にハワイ旅行を プレゼン…

発達障害の母

その父も弟が大学を卒業するとともに がんで亡くなった 気の小さいまじめな人だったから 母のことでは結婚以来相当なストレスを抱え込んでいたのだろう ネコが 「おじさん、いい人だったよな 俺、子供の時に川で釣った鯉をもらったよ」 友くんはネコのその言…

発達障害の母

友くんがおっかぶせるように 「頭も悪けりゃ、才能もないし 顔も悪けりゃ、性格もダメ だから、心配なんだよ 家を継げば苦労しなくても とりあえず食べていける 親がやったとおりにしてればな それがこの辺の爺さんや婆さんの考えさ まぁ、今はそれじゃ先細…

発達障害の母

すると、ネコが 「田舎だからね 貧乏でも土地もあるし、牛が一頭でもいれば ずっと、家を守ってほしいって思うさ 雅ちゃんちは爺さんの代にこの村に来て 流れ者だったのが苦労してここにいついて 何とか土地と家を手に入れたから やっぱり、継いでほしいんだ…

発達障害の母

かからない、ただそれだけだと友くんが教えてくれた 「あ~ちゃん、甘いよ っていうよりかは、雅ちゃんの実家が何かと お金に困っているっていうのが一番の理由だよ 雅ちゃんがさっさと嫁に行ったから、妹が家を継がなきゃいけない そのことが、もともと、あ…

発達障害の母

私は長いこと都会生活をしていたから 母にめったなことは言うものじゃない そう言う言葉が出てくるのだが 雅ちゃんが舅を見殺しにしたようなことを 気軽な世話ばなしのように聞いたことを思うと 母のほうが田舎の常識に添っている気がした そhして、そうい…

発達障害の母

女が子供を産まない選択がまかりとおる 東京での生活が長すぎて忘れていたが ここでは子供を産むってことは賢いってことよりも 人として立派だってことよりも 何よりも評価される世界なのだ 母の言葉はそんな村の人全体の言葉に聞こえた 「あの、みっちゃん…

発達障害の母

「雅ちゃんの話聞いたかい? 首くくって死んだんだってさ 罰当たりなことに あのお宮さんでさ 村で折角、お金集めて建て替えたのにさ あそこで自殺なんかしたんじゃ 誰も寄り付かなくなるよ 子供も作れない女の最後はあんなもんさ」 母の言葉に普段なら 余計…

発達障害の母

ネコはすぐに同意してくれた 「そうだな、ほんとそうだよ 雅ちゃんには雅ちゃんなりに貫きたい人生はあったんだよ」 「あの旦那、わざと子供作らなかったって噂だぜ ひどい話だよなぁ あそこのばあちゃんもすげぇけど そんで、みっちゃんとこの後家が雅ちゃ…

発達障害の母

「東京で借金こさえて帰ってきたとか 離婚されて逃げて帰ってきたとか やっぱり、あの母親に似ているから馬鹿なのだとか あんなやつのために泣いてやることはないよ 嘘ばっかり村中に流してたんだから」 私はやっと、涙が止まり 少し笑いながら 「その、最後…

発達障害の母

「それで、その足元に離婚届の紙が落ちていたんだ もちろん、旦那のサインいりのさ」 ネコが 「それで、もめてるんだよ お互い遺体を引き取りたくないってさ 俺が出て行って引き取って、何とか葬式出してやってもいいんだけど それも、年寄りたちが、出しゃ…

発達障害の母

私にとっては少しも興味のない相手で あの時、ここで話した限りでは 小学校のころから全く変わっていなかった そんなことを思いながらコーヒーを飲んでいると ネコと友くんが喪服で入ってきた 「まいったな~ 雅ちゃん、かわいそうにな~ 誰も遺体を引き取り…

発達障害の母

次の日、店に行ってみると 珍しく友くんは来ていなかった 「何かあったのかしら?」 コーヒーを頼みながらマスターに聞くと 「あの、雅ちゃんが自殺したって」 「え?」 私は立ち上がって、行かなきゃと思ったが すぐに、いったいどこにって思いなおした こ…

発達障害の母

「楽しかった?良かったわね~ 子供のころからの親友っていいわねぇ~」 そんな風に機嫌を取ろうとする 私にしてみれば、今、話を聞いてみれば 友くんもネコも私が子供の頃悲観していたような ひどいことは思っていなかったし かなり同情してくれていたの知…

発達障害の母

ネコはさすがに村長だ雅ちゃんが一人になってからもちゃんと食べていけるように仕事を考えてあげている「いや、ありゃ、仕事なんてできる状態じゃないぞ子供もできなかったし旦那にベタ惚れだったから立ち直れないんじゃないか」そんな話をして帰る雅ちゃん…

発達障害の母

ネコは笑いながら 「俺だって、あんな爺ちゃんや父ちゃん 恥ずかしいだけだったよ 子供のころは村の誰彼に爺ちゃんが余計なことを言ってるのを 見るたびに、穴があったら入りたかったよ あ~ちゃんだけじゃないさ」 「ま、いいじゃん 二人とも死んじまったん…

発達障害の母

雅ちゃんに最初に会ったからなんとく村中から下に見られているのは子供の頃から何十年立っても変わらないんだと母のことさえなければ2度と帰ってこないのにそう、思っていた気持ちがす〜っと消えていく友くんのことは気があう話しやすいやつだとそうは思っ…

発達障害の母

すると、ネコはおもむろに 「あ~ちゃんは、何かと苦労しただろう? でも、俺たちみんな、あ~ちゃんはあ~ちゃんだって 思ってたんだぜ 子供のころは親の噂話とか 子供に聞かせちゃいけないなんてこと 思う大人はほとんどいなかったからな 俺、あ~ちゃんの…

発達障害の母

「馬鹿言えよ! 俺、結婚したの30の時 恵子は24だぞ!めちゃ普通!」 私は一瞬にタイムマシーンであのころから戻ってきた 「だって、恵子ちゃんって一年生の時の 天使みたいな時しか知らないから そうだよね、大人になってるね」 そう、言って三人で笑う…

発達障害の母

母は知的レベルは低いくせに 姑息な手段をとったり、人に取り入ったりすることは うまくできたりする そういうところ、娘であることが恥ずかしくなるのだが いっても仕方がないので はいはいと適当に返事をする それよりもネコと話しはしたが 子供がいるなん…

発達障害の母

「つうちゃんはやりてだからね 今の村長さんに取り入って 自分の娘をあそこの長男と一緒にしたいんだよ あんた目当てに村長さんがコーヒーを飲みに わざわざ、行ったって話をしたら きっと、あんたに頼みに来るよ」 「ネコ、あ、今は村長だけど まさか、私に…

発達障害の母

遅く帰ったりすると 母が自分で私の分も料理を作ってくれている 年を取ると自分で料理しなくなるから できるだけ自分でやって自分で食べるようにしたほうが 認知症対策にもなるなんて話は知っているが 母の料理はまずい 猫舌の上にまともに字が読めないから …

発達障害の母

ネコは困ったように笑って 「だからさ、うちの父ちゃんが やたらハワイ行ったり、株に手を出したりして 一度、うちは破産したんだ じいちゃんは首をくくって 父ちゃんは行方不明!」 「え~!!!! ほんとにそんなことになってるの? ネコは今、何してんの…

発達障害の母

そして、誰が考えてもやりそうにないネコが僕がやりましたと手をあげてその次の日お金を持って来たのだでも、結局、それはミナの仕業だったってすぐにわかったのだミナが村の雑貨屋でお金を使っているところを誰もが不思議に思っていたミナの家は親がケチで…

発達障害の母

いつだって村中で幅を利かせて偉そうに歩き回る祖父と父親をごめんよ〜って顔で見ていたネコ本当にいいやつだった「あ〜ネコといえばあの事件を思い出すだろう?」友くんのその言い方ですぐ思い出した小学校五年生の時に亡くなったお金あれはなんのお金だっ…

発達障害の母

いつもの時間にいくとマスターが嬉しそうにいつものコーヒーを淹れはじめ友くんは片手を上げた今日は彼の横にどこかで見たことがあるようなおじさんが座っていた「おう!こいつ誰か思い出す?」ジャージの上下に運動靴頭はほとんど禿げ上がっているがその目…

発達障害の母

いつもの時間にいくとマスターが嬉しそうにいつものコーヒーを淹れはじめ友くんは片手を上げた今日は彼の横にどこかで見たことがあるようなおじさんが座っていた「おう!こいつ誰か思い出す?」ジャージの上下に運動靴頭はほとんど禿げ上がっているがその目…

発達障害の母

母の言葉を文にしようとするからこんなふうにある程度はわかりやすくなるのだが実際は主語述語はめちゃくっちゃだし自分の目的である話をする途中で別のことを思いついたり別のことが目に入ったりすると話は無茶苦茶で四六時中そばにいる私でもよくわからな…

発達障害の母

私が家に帰って母にみっちゃんの話をすると嬉しそうに「ああ、あのみっちゃんは結婚する前にあ〜ちゃんがずっと好きだったって行ったとか言わなかったとか村で随分話になったものだよ先生の奥さんはいっつも私をばかにしてたからねいい気味だったよみっちゃ…

発達障害の母

それが、ある夏休みに中学生の男の子を誤診しちゃって、大病院に送るのが遅れたものだったからその男の子は命を落としてしまったのだ村の人は誰も彼を責めなかったしその男の子の両親すら仕方がないことと諦めたんだけどみっちゃんはそのことで自分を責めて…

発達障害の母

「ははは!それは誤解!私のあの頃は東京でもがいてたからなぁ」すると友くんはしんみりと「わかるよ俺もトラックの運ちゃんやってた若い頃関西に2年いたからな田舎者には何かときついよな」「そうなんだ!みんな何かとあるねそれで、みっちゃんは?医者にな…

発達障害の母

「東京のあ〜ちゃんは水を得た魚のように生き生きしていてアパートの前でちょっと見かけただけだけどちょうど外車で彼氏が迎えに来ていて遠くから見ても、この村の呪縛から解き放たれたように見えたって、それを見たときに田舎の医者の息子なんかあ〜ちゃん…