逃亡

ショウは慣れてくると、おしゃべりなのがよく分かった 「それよりさ~ばあちゃん、チェリーにお金やったの?」 「やらないよ!」 すると、めちゃくちゃ嬉しそうに 「ほんと!! よかった~!!!! 俺、赤ちゃん殺すのって駄目だと思うよ だって、それって、…

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「よけいな話しないで!」 チェリーがそう言ったが 私はショウにかまわないと言わんばかりに 「ショウはチェリーとどうやって知り合ったのかい?」 ショウはチェリーのほうを見ながら 「あ、えっと~ 俺、バイトでチェリーの学校の花壇の手入れに行ったんだ …

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「チェリーとの関係は?」 「彼氏っす!」 チェリーはむくれて、奥のベッドに座っている 「嘘だよ!」 「嘘だって言ってるよ?」 「え?だって、最近はしょっちゅう俺のところに泊ってるし 彼氏にしてあげてもいいって、言ったよな? あ、でも、違うか!チェ…

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「今の男って・・・・ おばあちゃん、うちはそんなに男好きじゃ・・」 玄関でガタガタッと音がした 「誰か、連れて来たんだろう? この寒いのに、外じゃな可哀そうだよ 入れてやりな!」 「連れてきたわけじゃないの~ もう、早く帰ればいいのに」 私がドア…

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チェリーはくねくねして、困ったように落ち込んでしまった 他に隠していることがあるんだろう 私が気が付いたキスマークは昨日や今日のものだ 拓とは一回きり、計算で言えば3か月前のことだ 動画で見た限り、えらい、いい男で 再生回数だって半端ない あの男…

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「一回寝たら終わり! そんなことはわかっていて、ストーカーみたいに付きまとって 避妊もせずにやっちゃって、いや、やってもらって 私に言わせれば、拓ってやつに悪いところは一つもないね そして、妊娠したら産みたくないってか? チェリー、いい加減にも…

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「ちょっと、その動画見せて見な!」 見れば、まぁ、イケメン! 「間違いなく、この、拓ってやつの子供なのかい?」 チェリーは怒って 「うちはそんな軽い女じゃない!」 笑うしかない!こんな奴と寝るのだ、軽すぎるだろう! この顔ならば、けっこうな顔の…

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「彼は?どうしろって?」 すると、チェリーは困ったように横を向く 「そんなこと、問題外ってことかね?」 「うん・・・・」 ほとんど、相手にされていないってことか? それでも、子供はできている 「はっきり言いな!なんとかしてあげるから」 しばらく、…

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チェリーはビックリしたように 「さすがおばあちゃん!すぐわかるんだね~ ママなんか、何にもわかんないよ ママは別のことで忙しいけどね」 妊娠してるかしてないかは 世間でいうほどわかりやすくはない つわりの時期か、おなかが目立ってくる6っか月以降 …

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「言いたくない!」 「チェリー、あんた本物のバカだね 私が『なんに使うんだい?』って聞いたら 話によっちゃぁ、出してもいいって事だろう くらいは人の気持ちを読めなきゃ もう、おしまいだね」 ぶ~っとしながら 「だって、どうせ叱られるから~」 「そ…

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チェリーがバカなのは母親のせいだと言いたいが 違う! 男と女、友人、誰でも、自分のキャパの範囲内の人間が 集まったり、惹きつけられたりするものだ いじめられる人間がいつまでも、そこにいるのは そう言う人間関係の微妙なレベルの問題だ あの嫁を選ん…

逃亡

チェリーは喋ったことは、そのまま垂れ流し 会話にならないような、所がイライラする 「なんか食べたい! そんで、お金もらえないかな~」 相手をするのは辞めて さっさと、おにぎりとみそ汁を出してやる 「うわ~小学校以来だ~お味噌汁!おにぎりははコン…

逃走

しばらくそのアパートで大人しく暮らしていると 突然、チェリーが来た 「おばあちゃん、この部屋かわいい~ なんか食べるものある? お腹すいたんだ~」 「何しに来たんだい? お父さんに怒られた文句でもいいに来たのかい? お腹すいたって、朝ご飯は食べて…

逃走

もちろん、すぐに息子に 4時間待たされたこと、その理由が彼氏 今も泊まっていたことにしろ!と言ったことも すべてラインでチクった 孫可愛さに何でも孫の言うことを聞くのがババァじゃない あんなバカ孫を甘やかすわけにはいかない 今頃は言わないかもし…

逃走

「4時間も待ったんだよ! パパからラインのID、聞いてたんだろう? 何の用事があったのか知らないけれど 一言、遅れます!ぐらいはできただろう?」 「ごめ~ん、そう言えば、忘れてた! 彼氏がさ~話してくれないから~ それに、おばあちゃん、ラインとか…

逃走

久しぶり、小学生のころ 一度田舎に遊びに来たきり会っていなかった あの頃から、バカだと思っていたが やはりバカだ 「お父さんから、私のラインのアドレス聞いてたでしょう 何で、時間に遅れた時に連絡しないの?」 すると、今気が付いたとばかりに 「あ、…

逃走

逃げるように東京に出てきたけれど 全く西も東も分からない だからと言って息子の家にお世話になるのは絶対に嫌だ とりあえず、東京の隅でアパートを探したい そう、息子に連絡を取ったら、探しておくから そう言って住所を書いたラインが送られてきた 息子…

逃走

智恵理・・・チェリーだそうで、バカバカしい名前だ 上の男の子は息子そっくりで、息子と同じ大学に通っている 息子は無口で大人しいところが取り柄だったが そこはそっくりだ 生まれてから、一度もまともに会話したことはない 息子と同じようにまじめに勉強…

逃走

「おばあちゃん、ホテルに泊まろうよ! うち、ホテルに泊まりたい! ママがね、うちらが小さいころ よく、パパと喧嘩した時に帝国ホテルに 連れって行ってくれたんだよ」 この馬鹿な孫はペラペラと良くしゃべる 祖母の安江は孫の智恵理を呆れながら見る 長い…

魔女

八王子の小さなアパート ピンクいっぱいの部屋 「え~、そんなこと、あったっけ? あ、小さいころ、一緒に住んだお姉さんだね~ ほんのちょっとだったけど、 美味しい白いご飯たべたことと、 いつも、同じ服の女の子!」 くうちゃんも何とか覚えてくれた こ…

魔女

「あ、でも、今の居場所はわかっているんですよ 八王子の老人ホームでヘルパーをやってるんです」 今までのくうちゃんの話の中で 私と瑞樹ちゃんは一番驚いた その反応に、娘である若女将も笑いながら 「意外でしょう!今の義父・・・というか彼氏は 15も…

魔女

その旅館は今でもあった くうちゃんのことを聞くと すぐにそこの若女将が出てきた 「母が何かやったんでしょうか?」 美しく、落ち着いたたたずまい 20代前半であろうと思うが、今まで聞いてきた くうちゃんのイメージからほとんど想像できないほど 真面目そ…

魔女

一度、結婚したが子供が産めない体であることを その時の検査で知った そして、その理由が幼い時の性的虐待であること それがわかると、夫に離婚を切り出された 普通の、ごく普通の人でそのことでショックを受けたようだった すべて自分の過去を話す必要があ…

魔女

「たしか、あの時、別の叔母が それじゃ、困るだろうって 茨木の伯母の知り合いの旅館を紹介したんですよ 泊まり込みの中居を募集していて 子供がいてもかまわないってことだったと思うんです その旅館の住所と名前を言いますからメモしてください」 そう言…

魔女

それか数日、瑞樹ちゃんから連絡はなかった 専業主婦の私と違い、店を開けなければいけないのだから 大変だ。 それをこれまで、くうちゃんに会いたいという希望だけで 頑張って来たのだ 少し、探す時間をゆっくりにしよう 私はそう思って連絡はしなかった そ…

魔女

子供!!!!! 今までの流れで、くうちゃんに子供っていうのは まったく予想していなかった それにしても、どこに行っても 一緒に暮らした男たちのくうちゃんに甘いこと! そうだ、いま、私たち二人だって こうしてくうちゃんを探している 彼女にはなにかそ…

魔女

「瑞樹ちゃん、よく気が付いたね~ でも、想像してたのと随分違ってたわ これまで聞いた話では、絶世の美女になったかと 思っていたんだけど」 運転手だったおじさんの住所に向かいながら そんな風に話すと 「私の知ってる限り、美しい女の人って そんなに男…

魔女

すると、瑞樹ちゃんが 「良かったら、一緒に写っている写真とかありませんか」 と聞いているのを、よく気が付く、瑞樹ちゃんには感心する 私たちが知っているのは小学校に上がる前のくうちゃん 今までの経緯を聞いていると どんな絶世の美女になったのだろう…

魔女

私にはわからない、くうちゃんの良さが 瑞樹ちゃんにはわかっていたのだろう 社長は笑いながら 「実は違うんだ! 僕のほうが『つまんないからっ!!!』って フラれたんだよ 出ていかれたんだ」 私はものすごく驚いたのだが 瑞樹ちゃんは、そうだろうと言う…

魔女

社長はすぐに自分の部屋に招いてくれた 「くうちゃん?くうちゃんのことなんでしょう? 僕も彼女にはやられっぱなしだったけど 今、思い出せば、あの頃は楽しかったよ 僕が一番、お金を持っている時でもあったけどね イタリアから電話してきて 『どうしてい…