暇な奴ら

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「子供の能力に関しては
あまり、小さい時からどうのこうのって
辞めたほうがいいんじゃないかしらね~
ものすごい運動能力とか、大人が見て
絶対的な才能を本人が楽しくできれば問題ないけれど
楽しくないのに、ストレスを感じながらさせるのは
その時間、何かをのびのびとやったほうが
よほど伸びる気がするけれど」

速水は頷きながら

「私もそう思うわ
でも、鋼君はあれでいいのかしら?」

みぃは子供のころを思い出しながら

「私はね、正二に会うまでも楽しかったの
一般的に男好きの母親に連れまわされて
あっちに行ったり、こっちに行ったり
母親は娘よりも男の言うことを聞く
最悪だと思うでしょう?
ところが、お母さんの男の趣味が良かったのよ
今のニュースになるような私を暴行するとか
レイプするとか、一人もいなかった
皆、お父さんみたいにおとなしい優しい人だった」

逃亡

「彼は?どうしろって?」

 

すると、チェリーは困ったように横を向く

 

「そんなこと、問題外ってことかね?」

 

「うん・・・・」

 

ほとんど、相手にされていないってことか?

それでも、子供はできている

 

「はっきり言いな!なんとかしてあげるから」

 

しばらく、ぐちゃぐちゃ言ってみたり、落ち着かなさそうにしてみたり

黙って考えたりしてたが

ようするに、その男はイケメンのYouTuberで

追っかけの女の子がたくさんいて、自分はその一人だと言う

 

「それで、なんで寝ることになったんだい?」

 

追っかけをやっていると、夜、一人だけ選ばれて

一緒に過ごせると言う

 

「それで、その一回で妊娠?

他にそんな子はいないの?避妊は?」

 

憧れの人を前に、そんなことは言えなかったと言う

暇な奴ら

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みぃは苦笑いしながら

「お姉ちゃんに惚れてる正二さんを
何とか振り向かせたくて、真剣にやってただけ
それに、正二さんは学歴はおろか
小学校もまともに行ってない人生だったけど
頭がよかったからね
一度見たものは、何でも完璧に覚えてたよ
あの頃、小屋にいた、昔からの爺さんが
正二さんの父親は学生だったけど
本物の天才だったから、アメリカのシンクタンクに呼ばれて
大学在学中に渡米したんだって
母親はただのだらしない女で
妊娠したのも気が付かないまま、仕事していて
正二さんをトイレで産んだ後、逃げたらしいよ」

「え?父親には誰も連絡しなかったの?」

「だって、風俗小屋の人間がそんなお偉いさんに
コンタクト取れるわけがないじゃない
それに、研究が軍事関係だったから、イラクか何かで死んだらしいよ
もう、50年以上も前の話」

逃亡

チェリーはビックリしたように

 

「さすがおばあちゃん!すぐわかるんだね~

ママなんか、何にもわかんないよ

ママは別のことで忙しいけどね」

 

妊娠してるかしてないかは

世間でいうほどわかりやすくはない

つわりの時期か、おなかが目立ってくる6っか月以降

じゃなきゃ、女だってわかりゃしないんだが

チェリーの制服の短すぎるスカートと黒い妙な

婆さんが履くような靴下のエロい足

その太ももの後ろに、キスマークがありありとつけられている

それに気が付いただけだ

 

「産むんだね!

お前みたいなバカは、これから学校生活で

何も学ばないよ

子供でも産んだほうが、よっぽど為になる」

暇な奴ら

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「子供って人それぞれだから
どれが正しいとは言えないし
大人になってそれがダメだったら
仕方がないんだよ!」

速水が投げ出すように言った

「私は幸せを絵にかいたような
愛し合う二人の間に生まれたのに
祖母そっくりだったし
あの頃、みぃさんが拾ってくれなくっちゃ
おばあちゃんと同じ人生を送ってるわ」

みぃは困ったように苦笑いした

「でも、お姉ちゃんと違って私はお母さんに似てるって
素敵なことだと思うけどね」

「みぃさんこそすごいよね~
だって、小学校もまともに行ってないのに
正二さんの教育だけで、世の中の経済も読めるし
英語だって完璧だし」

逃亡

「言いたくない!」

 

「チェリー、あんた本物のバカだね

私が『なんに使うんだい?』って聞いたら

話によっちゃぁ、出してもいいって事だろう

くらいは人の気持ちを読めなきゃ

もう、おしまいだね」

 

ぶ~っとしながら

 

「だって、どうせ叱られるから~」

 

「そんななりして、髪染めて、学校、休んで

親父に放任されて、彼氏といちゃいちゃしていた

なんて平気で言うやつのセリフかい!!!!

叱られることしかしてないだろう?

あたしが言ってやろうか?

子供でもできて、降ろすお金でもいるんじゃないのかい?」

暇な奴ら

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確かに、ほとんどがマーチ以下
その中に数人、慶応、早稲田、地方国立が一人
みぃに話すと、驚いた

「そんなもんなんだ~子供のころ、あんなに勉強するのに!」

速水もうなずきながら

「うちのタケオなんか、一度リタイアして慶応じゃない
私自身は途中でこの世界に入ったから
あの頃の秀才はさぞすごくなっているんだろうって
思ったんだけどね
星人も小さな時に父親にあんなにかわいがってもらったのに
まぁ、勉強は普通かな
でも、英語は助かってるみたい
小さなころからやっていて、今はその中にいるから
もう、あっちの人みたい」

「じゃ、新開の言うことは当たってるんじゃん!
あの子、はがねくんだっけ?
あれでいいのかしらね~」