不思議なことを数えれば
発達障害の母
私は無意識のままに
手に持っていた本で母の頭を殴った
もちろん、そんなに力を入れてのことではなかったから
母も痛いとも言わずに、ただ、殴られた理由がわからない感じだった
でも、私は震えた
私の中に母を殴りたい気持ちなどかけらもなかったのだ
殺したいとは思っていたが
それを実行する勇気はなかった
でも、手は動いたのだ
このままだと、私は無意識のうちに母を殺してしまうかもしれない
さんざん、私に迷惑をかけ、嫌な思いをさせ
そして、全く自分が悪くなかったと楽しそうに長生きしている母
娘を性的な幼児虐待に追いやって、見て見ぬふりをしていた母
それでも、私は実際に母に手を挙げるなんて考えていなかった
不思議なことを数えれば
発達障害の母
母は洗濯物をその日のうちに取り込む
もちろん、それは良いことだが
冬の日、そんなにちゃんと乾かない日もある
そんな日も取り込んできて、まだ乾いてないのに気が付けば
ストーブの前に置くのだ
そのストーブですら私が口うるさくつけるなと言っているもので
各部屋に立派なエアコンが付いているのだ
だいたい、エアコンのいらない部屋にも値段の高いものが設置されていて
電気屋の口車に乗ってかったものだと思うとそれすら、見ただけで私はイライラするのだ
母が洗濯物を抱えているのを見て
私の何かが切れてしまった
不思議なことを数えれば
発達障害の母
最初はそんな風に思う自分が嫌いで
自己嫌悪にも陥ったのだが
そのうちに、平気になって来たし
母を見ていると、イライラしてきて
そんな風に思うくらい、罰は当たらないだろうと思い始め
爺さんといちゃ一話している声を聞くと
後ろから首を絞めてやろうかと思い始めた
同じ家に寝ている
二階が母で、私は一回に寝ているのだが
夜中に起きて行って横に立って脅かそうか
いや、布団をはいでたまりにたまった文句を言ってやろうか
私はそんな風に変わっていった