ミキのママ友
発達障害の母
そんな真面目な子
いったい、どうして妊娠なんてことになったんだろう
朝晩、ゴミ出しのときなんかに奥さんには会うが
全く気が付いている様子ではなく明るく、元気だ
田舎の婆さんたちは悪いところはすぐに探し出し
やたら噂を振りまくが、手を出そうとはしない
田舎は近所付き合いが深いなんて言うが
手作りの食べ物、多く作った野菜、もらいすぎた物
近所に配りまくることはあるが
実際は相手の不幸を喜びながらの
優越感であふれていたりするのだ
今回もことがことだけに、入り込みはできないが
本気で心配なんか誰もしない
私は従妹の子やなんかに高校でのあの子の様子を聞いてみた
ミキのママ友
発達障害の母
ショートカットの黒い髪の毛
田舎の二流の高校の子なんかほとんどが髪を染めている
真っ黒の髪の毛で化粧っ気がない
今は女の子も都会の高校生並みに化粧しているのが普通だ
スタイルもよくて顔もアイドルよりいい子もたくさんいる
でも、その子は少し小太りで昔の女子高生だ
毎日、夜の二時ごろまで部屋に明かりがついていて
そこのおばあちゃんがうちの母に自慢するには
「あの子は勉強がよくできてね
東京のいい大学に行きたいって頑張ってるんだよ
その時はさ、学費はばあちゃんが出してやるって
約束してるんだよ」
それを聞いた母は私に
「東京のいい大学なんか無理に決まってるよ」
そんな風に嫌そうに話してくれた
こういうところだ
知的にかなり低いからと言っても
意地悪なところはちゃんとあるのだ
ミキのママ友
発達障害の母
専門学校に上がる子はほとんどが美容系
もちろん、それなりにモチベーションを持って
頑張ろうという子もいないわけじゃないが
ほとんどがどうしようもない子
就職する子はまだいい
都会でバイトをしながらのニートもまだいい
田舎でニートを決め込もうとしている子たち
親も子供の将来を真剣に考えてはいない
女の子なら嫁にやればいい、男の子なら
農作業でもやってくれれば立派なものだ
親も大学行くお金がいるなんて言われた日には
貯金を十分持ってはいても、いやで仕方がない
『大学行ったからって、いい仕事に就けるわけじゃなし
大学なんかいいとこ行ったって、レイプ事件なんか起こす子が
いるんだからね~』
だいたい、そんな考えだ
あんたんとこの子はそんな心配しなくても
一流大学なんか合格しはしないって言いたいくらいだ
でも、その女の子は違っていた