そして恋人へ

優未の両親は
康太の家で引き取ると聞いた時に
ホッとすると同時に
康太と優未の関係がどうかなるなんて
考えてもいなかった

もちろん、歳も違うし
康太にそんなところは微塵もないと
信じたからだ

しかし、康太自身は
自分はもしかして
ロリコンでどうしようもない人間だと
自覚していた
優未にこれだけ参っているなんて
ロリコンとしか考えられない

優未はそんな康太の苦しみはお構いなく
洗面所で薄いふんわりしたパジャマで
歯磨きしたり
それも康太と絶対会いそうな時間に
ニヤニヤしながら歯ブラシを動かしている

発達障害の母

私は頭にきた

しかし友君のの妻が

夫に裏切られて

村の噂を信じるのも無理ないと思うので

私が友君を探すことにした


なんとか話をまとめて

私は一度家に帰ると

すぐに町のスナックに行ってみようと

用意をしていると


母が百万円持って私の前にきた


「あんた、友さんとできてたのかい?

あそこは手広く農業をしてるから

あんたがお金をだまし取ったんだったら

すぐに返しな!

このお金をあげるから

あの奥さんによく謝って

これを足して渡せば許してくれるよ」




そして恋人へ

高校に行かないなんて
そう言って、母親が休学にしてもらい
お金は払い込んであるので
女子高生には違いないのだが

優未はすっかりこの生活が気に入ったようだ
料理は案外上手で
スマホ片手に色々挑戦し
康太が少し顔をしかめて食べる
失敗作も楽しいし
案外、康太を待つだけの生活が
優未にはあっているようだった

それでも、寝室が別なのが不満なようで

「こんなに放っておくのなら
また、ホスト遊びしちゃうぞ」


しかし、こればかりは康太も
どうにかするわけには行かない
あの事件でもレイプ未遂だったから
優未は処女である
そして、彼女には未来がある
この一年くらいはこの生活が楽しくても

学校に戻り、友人と戯れる
普通の女子高生になるかもしれないのだ

発達障害の母

ネコが理を尽くして話しても

私に対する疑いは拭えないようで

村では噂は噂ではないのだ

噂が立つ以上はそこに真実があると

誰もが思っているのだ

私と友君の仲なんて疑われても

全くどうでもいい


「ねぇ、それよりも今、これからの

お金でしょう?」


「そうだよ!

一体どうするんんだ?」


私もネコも疑いなんかに取り合っていられない

全てのお金から土地の権利書まで

持って逃げたのならば

目の前の支払いをなんとかしなければならない

田舎のことだから

一歩家を出れば、食べられる野菜は

わんさとある


「だから、あ〜ちゃんがうちの人から

巻き上げたお金があるでしょう?」


全く参った!

そして恋人へ

優未は康太の家にやって来た

「戸田さん、私行くところがないの
ね!ママがどんなひとかわかったでしょう?
戸田さんが自分の母親の話をしてくれた時
私、そんな人間の方がマシなんじゃ
ないかと思ったくらいよ
パパは新しい奥さんの言う通りにしたいみたいだし、私が暮らすところはここよ」

康太は笑いながら

「うん。そうしたらいいよ
好きなところを選んで暮らせばいい
学校に行きたくなければ
ここにいればいいよ
何をしたい?」

「奥さん!戸田さんの.....
ううん、康太さんの奥さんしたい」

「よし!そうしよう!」

康太は決めていた
もう、優未とは優未が嫌だと出て行くまで
一緒にいよう!

発達障害の母

そして、ゲスな人間たちほど

ちょっと、2人で話しただけで

何かあるのではないかと邪推する

そんな風に広まった噂には

太刀打ちできない


「ああ、ちょっと、待ってて

ネコに聞いたら早いから

あの喫茶店で待ってて」


母は心配そうに


「え?あんた、友さんと

なんか、あったんかい?」


母親すら村の人間と同じレベルで

私を見る

母は点と点が繋がらないから

今の出来事で

友君の奥さんが行って来たことだけから

物事を理解する


母に詳しく話をしている暇はない

ネコに連絡を取ると

すぐに店に行った

そして恋人へ

事件も全て片付いた
優未は情状酌量、未成年だったので
親は2人とも離婚しているが
弁護士である康太が後見人になることで
ことなきを得た

しかし、犯罪を犯した義理の娘を
引き取ることには父親の妻が難色を示し
母親は

「どうしてこうなったのかわからない
私と一緒に暮らして入れば
こんなことにはならなかったのに」

中学でホスト遊びをする子は
自分には理解の外だと
引き取りを渋っていた

しかし、優未はそんなことは
気にもしていなかった